毎年 タブラのために インドをおとずれているユザーン
そして 日本国内のライブでも やっぱりカレーをふるまわれることが 多いのです

ユザーンのカレー指数は 半端ない!
これはもう タブラ奏者の宿命です

そんな ユザーンカレーデータを 放っておくのはもったいない!

というわけで そんな 数々のカレーを食してきた ユザーンがオススメする
あえて食べたいカレーを ゲストミュージシャンと巡る会 が発足しました

カレーは 1人より みんなで食べる方が いろいろ食べれて たのしいもんね!

7番目の会員は ドラマー、シンガー、プロデューサーなど
マルチに活躍するmabanuaくん
アルバムでは ハナレグミとKAKATOの MIXをお願いしました
今回は こちらもマルチなごはんを作る トサカンムリフーズさんへ
カレーパンを食べにいったつもりが 習う会になりました

mabanua(以下 m):今日はパン屋さんに行くんですか? U-zhaan(以下 U):いや、個人のアトリエにお邪魔するの。以前に俺が出演したイベントで、カレー屋を出店してた人なんだけど。そのときのカレーがかなりおいしかったんだよね。その人はカレーパンを作るのもうまい、って噂を聞いたので、今回は特別にお願いして作ってもらうことになったの。 m:そうなんですか。楽しみですね。
僕、パンの中ではカレーパンがいちばん好きなんですよ。
U:そうなんだ! よく食べるの? m:あんまり食べないですね……。
パンっていうもの自体がそんなに好きじゃなくて。
U:それ「いちばん好き」というよりも「いちばんマシ」に近くない? m:そうともいいます(笑)。 U:ほら着いたよ。こんばんはー。今日はよろしくお願いします。 カレーパンの先生(以下 先生):こちらこそ遠いところをすみません。 U:お、カレーパンの生地があるよ。 m:ほんとだ。おいしそう。 U:おいしそう? これ、まだ生だよ。 m:焼く前のホットケーキ生地を食べたことがあるんですけど、意外とおいしくて。 U:変わった子だね。あ、先生が生地を小さくまとめ出した。 先生:やってみます? U:え、やってもいいんですか。 m:やりたいやりたい! U:それじゃ企画を変更して、カレーパン作りを習う会にしよう。嬉しいなー。 先生:じゃあ、まずこの生地を40gずつに丸めてください。 U:40g? ちょっと適当に取ってみよう。これに乗せて重さを計るのかな。あ、46gって出た。 m:けっこういい数字ですね。 U:じゃあ6gくらい取り除けばいいのかな。うん、41gになった。マバヌアくんもやってみなよ。 m:実はですね、僕が使ってるドラムスティックが50gなんですよ。だからその感覚よりちょっと軽い感じにすればうまく行く気が。ほら、43g!いい感じじゃないですか?
U:ほんとだ、すごいね。 m:さすが。 U:自分で「さすが」って言ったね(笑)。 先生:これに粉を付けて、手をこういう形にして丸めて、最後に後ろをキュッと。 m:丸める途中で下の板にくっついちゃうのはなぜですかね。 先生:粉が足りないんだと思います。 U:先生のはなんでそんなにまん丸になるんだろう。 先生:一応、パン屋なんで。 m:どうしても表面がボコボコしてきちゃいますよね。 先生:手の上で丸めてみてもいいですよ。 m:僕、40gを計るのをもっとやりたいんですけど、なんか先生がやらせてくれなくなっちゃいましたね。 U:このペースじゃいつまでかかるかわからない、と思ったんだろうね。 先生:すみません、意外とせっかちなんです(笑)。 U:まあ生地の量も多いしな。こんなに作るんですか? 先生:余ったらただの揚げパンにすればいいかな、と思って。 U:mabanuaくんの丸め方は、だんだん寿司の握り方に近づいてきてるよ。 m:教わった通りのやり方ではうまくいかなかったから、何か別の方法を編み出さなきゃと思って。 U:それもうまく行っているようには見えないけどね。 m:そう。そこが問題なんですよ。
U:やっと生地がなくなったね。終了! 先生:このまましばらく生地を寝かせます。 U:そんじゃちょっと休憩しようか。 m:今日は新しいアルバムの話とかはしなくて大丈夫なんですか? U:別にしなくても問題ないけど。mabanuaくんにはMIXを2曲お願いしたんだよね。KAKATOとの『Tabla’n’Rap』と、ハナレグミとの
『俺の小宇宙』。大変だったでしょ、いろいろ注文が多くて。
m:楽しかったですけどね。でも、一番苦労したのはあれかな。
ユザーンさんの耳には僕やエンジニアに聞こえない音が聞こえてることがあるじゃないですか。
U:そう? m:エンジニアと2人で「ユザーンさんが言っている、
消したいノイズってどれだろ」 と思いながら指定されたところを
繰り返し聴いても全然見つけられなくて。
最終的に耳が痛くなりそうなほど音を上げたら
「あ、これのことか!」って
わかったり、というのが何度もあった。
U:迷惑かけたねー。「俺の小宇宙」とか、MIXだけでも13回くらいやり直した
もんね。付き合ってくれてどうもありがとう。
m:そういえばこのあいだ自分のラジオでかけましたよ、『俺の小宇宙』。 U:「この曲、俺がMIXしたんだぜ」って言った? m:言ってませんよ、そんな。 U:本当は言ったんでしょ。 m:……言いました。 U:あはは。なんでちょっと嘘ついたの。 m:謙虚なmabanua、というイメージでいたくて(笑)。そういえば、ユザーンさんのホームページのトップに手書きのコメントがありますよね。あれって、本当にユザーンさんの字なんですか。 U:ユザーン、って署名してあるじゃん。逆に俺のコメントを他の人に書いてもらう意味がわかんないよ。 m:いや、すごくきれいな字だったからそういうフォントでもあるのかと思って。 U:全然きれいじゃないけどね。 m:きれい、というか女子っぽいというか。 U:あー、それは言われることある。でも、ウチの65歳になる父親は俺よりももっと女子っぽい字なんだよね。 m:そうなんですか。お父さんは会ったことないな。 U:母親には会った? m:川越のスタジオでリハーサルをしたとき、お母さんが車で忘れ物を届けに来てました。 U:恥ずかしいところを見られたね。俺もmabanuaくんのお母さんに会ったことあるよ。「ふつつかな息子ですが、よろしくお願いします」って丁寧に挨拶されて恐縮した。あ、カレーパンの具が来たよ! 少し変わった色合いだけど、これは何のカレーですか。
先生:オカラです。 m:オカラ? U:ひじきやコンニャク、ニンジンとかも入ってる。オカラのカレーというより、カレー味のオカラって感じなのかな。ちょっとつまんでみちゃおう。 ……だいぶ優しい味だね。 先生:パンチがなさすぎますかね。 U:そんなことはないけど。mabanuaくん、オカラは好き? m:好きでしゅ。 U:今ちょっと語尾が変な感じになったけど大丈夫? m:うまく発音できなかっただけなんで問題ないです。 先生:まず、生地を少しのしたほうがやりやすいかも。 U:のしたほうが? 先生:のす、って言いませんか。 U:あー、”のしいか” の “のし” か。 m:じゃあちょっとのしてみます。このくらい? 先生:はい。そうしたらギュッギュッてカレーを押し込んで行きます。 m:具の量はどのくらいなんですか。 先生:生地と1:1くらいか、少し具のほうが多いくらいの感じで。 m:どうですかね。ほら、きれいにできた気が。 U:それじゃ具が少ないんじゃない? 先生のは生地の中から具がちょっと透けて見えるけど、mabanuaくんのは透けてないじゃん。 先生:確かにそうですね。もっと具を入れたほうが。 m:みんなで僕のカレーパンに文句をつけるのはやめてください。 U:でも結構これ難しいな。入れすぎると破けちゃうし。 先生:生地が一度破けると揚げたときに破裂して、油の中に具が散らばりますよ。
U:それは嫌だね。 m:他のカレーパンにも被害を及ぼしそうですね。気をつけよう。 先生:そしてこれが次のカレーです。 U:カレー2種類なんだ! こっちは、見た目的には麻婆豆腐に近いね。 m:前のやつと匂いが違うな。 先生:キャベツとジャガイモ、それに豚肉が入ってる、
もうちょっとパンチの効いた味のカレーです。
さっきのは丸く作りましたけど、今度は違う形にしようかと。
こうやってキュッとして、綴じ目を下にして。
U:あ、カレーパンっぽい! よくお店で見るレモンみたいな形の
カレーパンになってる。やろうやろう。
m:えっと、平たくして、具を押し込んで、生地を引っ張ってきて……、
うまく行かない。
U:mabanuaくんのは、やっぱり具材の量が少ないんだよ。
笹かまぼこみたいなサイズ感になっちゃってるし。
m:そうかな。でも、ユザーンさんのだってミノムシ的な感じになってますよ。もう一回だけ先生のお手本を見せて欲しいな。 先生:ええとですね。具をギュッとしたあとに、ここの真ん中からキュッとやるんです。
U:先生の説明は「ギュッ」とか「キュッ」とかばっかりですね。 先生:それが終わったら、今度は水に一瞬浸けてからパン粉をまぶします。綴じ目の部分を必ず下にして置くようにしてください。 U:はーい。どっちが綴じ目なのかしっかり確認しておかないとパン粉をまぶしたときにわからなくなるな。でもこの作業は意外と楽しい。 m:ほんとだ。楽しいですね。 先生:今までのは楽しくなかったですか。 U:そういうわけじゃないですけど(笑)。 m:あ、これさっき僕が作った笹かまぼこみたいなやつだ。やっぱり小さいな。でも、自分で手をかけて作ったものって愛着がわいてきますね。食べてあげたい、という気分になる。 U:そうだね。お腹が空いてきたでしょ。 m:まあ適度に。 U:あれ、今なんか目を合わせずに言ったけど、もしかしてごはん食べてきた? m:すみません、来る前に空き時間があったのでちょっとだけ。 U:マジですか。ちなみに何を食べたの。 m:えっと、えびチャーハンの、大盛り。
U:もうカレーパンが入る隙間なんかないじゃん! m:大丈夫です。食べる気になればなんとか。 U:ほんとかね。 先生:パン粉もまぶし終わったんで、少し発酵させて後は揚げて終わりです。 U:mabanuaくんは揚げ物とかする? m:1人ではやらないですね。昔ロイヤルホストでバイトしてたときに、手に油を
かぶっちゃって大ヤケドしたことがトラウマになってて。
U:じゃあ今日は先生もいるし一緒にやろう。 m:頑張ります。なんかバチバチ言っててちょっと恐いけど……。
あ、油に入れるとパンがだいぶ大きくなるんですね。
U:ほんとだ。市販のものより若干小さめなのかと思ってたけど、
意外と普通のサイズだな。
m:揚げちゃってみると、さっきあんなに気にしてたデコボコ感みたいのも
それほど気になりませんね。
U:でもデコボコのやつはやっぱり中の具がはじけちゃってるよ。 先生:生地が薄くなっているところから具が溢れるんですよね。 U:それとさ、俺が使ってるトングがmabanuaくんのに比べてちょっと短くない?
ひっくり返そうとするとだいぶ熱い。
先生:すみません。長いのは1つしかなくて。 m:もうこのくらいでいいんじゃないですかね。まんべんなく揚げ色が付いてる気が。 先生:そうですね。上げてみましょう。 U:うわ、大きめのコロッケみたい! これだけ数があると、なんとなく「収穫した」って気分になるね。でもこの製作過程を見ると、やっぱりカレーパンってカロリーが高そうだな。3つくらいで1日分の栄養が 摂れちゃいそう。 m:かなりじっくりと揚げてましたもんね。
先生:さっそく食べてみますか? U:わーい。熱そうだけどいただきます。 m:あ、あふ、あふい! でもおいしい! これ、揚げたてですね。 U:揚げたてなのは食べる前からわかってたよ。でも、たしかに揚げたばかりのカレーパンっておいしいんだね。それに、さっきちょっと味見したときに「だいぶさっぱりしてるな」と思ったオカラのカレーも、揚げるという行程を経ることによってかなりしっかりとした味に感じるようになってる。 m:もう1種類のも角切りの豚肉がガツンと入ってておいしいですね。キャベツもちょうどいい食感で。 U:俺が今食べてるの、異常に具が少ないんだけどmabanuaくんが作ったやつかな。 m:そうかも。そして、キャベツとジャガイモが飛び出ちゃったのもたぶん僕のです。 U:あれ、気付いたらもうペロリと3個も食べてた。こんなにカレーパンを食べたのは生まれて初めてだよ。 m:ごちそうさまです! 先生ありがとうございました。 先生:どういたしまして。おふたりとも、おみやげにいくつか持って帰ります? U:実は、そう言ってくれるんじゃないかと期待してました(笑)。
mabanua
ドラマー/ビートメーカー/シンガー。ソロ活動以外にもOvall(2013年に活動休止)、
U-zhaan×mabanua、Green Butter等のユニットに参加。CharaやBENI等の
プロデュースも手がける。
2ndアルバム『only the facts』が異例のロングセールス中。
趣味はウォーキング。好物はビッグマック。
http://mabanua.com

  • mabanuaくんにも参加してもらった
    ↓ユザーンのアルバムのページです↓
  • トサカンムリフーズ
    普段はケータリングとパン屋tOki dOkiをときどき開いていらっしゃいます
    カレーパンはときどきケータリングでつくるみたいです
    http://www.tosakanmuri.com