毎年 タブラのために インドをおとずれているユザーン
そして 日本国内のライブでも やっぱりカレーをふるまわれることが 多いのです

ユザーンのカレー指数は 半端ない!
これはもう タブラ奏者の宿命です

そんな ユザーンカレーデータを 放っておくのはもったいない!

というわけで そんな 数々のカレーを食してきた ユザーンがオススメする
あえて食べたいカレーを ゲストミュージシャンと巡る会 が発足しました

カレーは 1人より みんなで食べる方が いろいろ食べれて たのしいもんね!

前回にひきつづき 会員№5 agraphくん です
いろいろなハプニングも ありつつ
なかよく 共同作業な おふたり
はたして おいしいインドカレーに 
ありつけるのでしょうか

(前回までのあらすじ) なんで自分だけカレーを作らなきゃならないのか、と不服そうなagraphさんとのクッキング会。 ようやくできあがったサラダの味見をすすめられたagraphさんはなんと……!! 前回の模様はコチラ

agraph(以下 a):あ、僕はコリアンダーが苦手なんでいいです。 U-zhaan(以下 U):えー、それ早く言ってよ!! a:いつ言い出そうかとは思ってたんだけど、なんかタイミングを逃して。 U:先に言ってくれれば入れずに作ったのに。 a:いいですよ、食べてみますよ。……トイレの芳香剤みたいな味がしますね。 U:もういいよ(笑)。これはいったん冷蔵庫に入れておこう。
じゃあ次! もう一品カレーを作ります。
a:すみません、今日の全行程を山登りに例えると現時点で何合目ぐらい? U:登山に例える意味がわかんないけど、だいたい3合目じゃないかな。 a:そうですか。 U:そんなにがっかりしないでよ。玉ねぎを2個、薄くスライスしてくれる? 繊維を断ち切る方向で。 a:繊維の逆、ってことはこっちかな。 U:うん、そうそう。あ、やっぱりきれいに包丁を使うな。じゃあこちらは卵を茹でます。そして茹でてるあいだにお米も炊きます。
俺さっき新大久保まで行ってバスマティを買ってきたんだよ。
a:バスマティって何? U:香りがいい、インドの高級米。ちょっと水が多めのほうがおいしく炊ける、って友達のインド料理屋が言ってた。
a:ところで、湯沢さんって髪の毛にいろいろ絡まったりするんですか。 U:突然だね。でも何か付いてること多いよ。 a:どんなものが絡むんだろ。 豆とか? U:日常生活に豆が降ってくるようなシチュエーションなんてあんまりないでしょ。 a:鳥のフンとかが落ちてきたら拭くの大変そうだなー。 U:そんなことはいいから、玉ねぎが終わったらトマトを2個みじん切りしてくれないかな。 a:トマトのみじん切りってどうやるの? U:適当にぐちゃぐちゃになれば大丈夫だよ。こちらはゆで玉子の皮を剥き、たっぷりのサラダ油を熱します。そして熱したところにゆで卵をドン! a:え〜!! 熱い!! こっちに油がバチバチはねてる! U:揚げ物をすると油ははねるもんなんだよ。 a:熱いって! U:ほら、牛尾くん見て。この白身の部分が茶色くシワシワになってきてるでしょ。卵全体がこの感じになるようにぐるぐる回しながら揚げるの。
a:なるわけないよそんなふうに! U:なるんだって(笑)。 a:あーびっくりした。インドにいるときもこうやって自炊してるんですか。 U:しないね。だって100円も出さずにおいしいカレーが食べられるんだもん。 a:お腹を壊したりしない? U:最近はあんまりないな。ほら、いい感じのキツネ色に
なってきたから上げよう。何かこれを出せるようなものある?
a:トングでいいかな。 U:いやそっちじゃなくて器のほう。これでいいや。はい、卵が揚がりました。
この残った揚げ油の中にクミンシードを大さじ1.2杯くらい、
シナモンスティック3本、クローブとカルダモンを5個くらいずつ、
赤唐辛子を3本投入してください。
a:はい、入れました。 U:ブラックペッパーの粒も少し入れようかな。あと、この葉っぱも2〜3枚入れます。 a:ローリエ? U:いや、これはベイリーフっていう別のやつ。こうやって油にスパイスの香りを移してから、ここにさっき牛尾くんがスライスした玉ねぎをぶち込んでください。
a:また「バシャーン!」って油がはねるんじゃないの? 油に水分を入れると危険、って昔に習ったよ。 U:これだけ大量に投入すれば玉ねぎが蓋の代わりになるから大丈夫だって。 a:恐いな……。あ、ほんとだ。はねないですね。 U:じゃあ、これから牛尾くんは玉ねぎがトロトロになるまで炒めてください。 a:どのくらいかかるんだろう。 U:30〜40分くらいかな。 a:30分も炒めるの? ギャラもないのに? U:うん(笑)。まあ交代しながらやろうよ。 a:カレーってこんなに下ごしらえが大変なんですね。インドに行く前からカレーは好きでした? U:どっちかって言うと好きだったけど、でもインドに住むまではカレーがこれほどおいしいものだって知らなかった。インド音楽のこともインドに行くまではよくわからなかったしね。
a:新しいアルバムって、僕が参加した曲以外にインド音楽っぽいのはないんですか。 U:うん、牛尾くんのだけだよ。 a:あれも大変だったなー。最初は「このインド音楽に、好きなようにドローンを付けてみてよ。あんまりインドに寄らず牛尾くんの世界観でさ」とか注文されたんでそういう気持ちで自由に作って送ったら「ごめん、この方向はやっぱ違ったわ」って言われて。あの夜は涙で枕を濡らしましたよ。 U:ごめん(笑)。まあ、それで結局俺も牛尾くんのスタジオに行って、2人でいろいろやったんだよね。最終的にすごくいい感じに仕上がってよかったよ。あんなにうまく行くと思わなかった。どうもありがとね。 a:こちらこそありがとうございます。それよりこの玉ねぎ、いつか本当に溶けたりするんですか。 U:じゃあこれは俺がやるから、牛尾くんはさっき下ごしらえしたヨーグルトでマリネしてるやつを鍋に入れて、火にかけ始めてくれないかな。 a:はーい。こっちの鍋は焦げちゃっても問題ないやつ? U:焦がしちゃダメに決まってるでしょ。
〜炒めているだけなので中略〜
U:よし、玉ねぎはこのくらいでいいかな。 a:僕のほうの鍋はなんか全体的にシャバシャバになってきたけど大丈夫? U:一回そういう感じになってから、またモタっとしてきたぐらいで
完成なので問題ないよ。それじゃこの玉ねぎのフライパンに、
さっき牛尾くんがおろしたショウガとニンニクの残りを
全部入れます。そしてターメリックを大さじ1、
チリパウダーを大さじ1杯強、コリアンダーパウダー
大さじ半分ぐらいそれぞれ入れる。
あ、クミンパウダーとヨーグルトもちょっとだけ入れとこ。
a:お、一気にそれらしくなってきた。
こういうのどこで習うんですか。
U:これに関しては神戸に住んでるインドの竹笛を演奏する方のレシピと、西荻窪にあるライブハウスの店主が作るおいしいカレーのレシピをミックスして作ってる感じ。そしてこのまま3分くらい混ぜながら炒めます。 a:いい香りがしますね。まるでカレーみたい。 U:だからカレーを作ってるんだって。もうひとつ鍋を出してもらってもいい? a:はい。鍋です。 U:じゃあこの炒めたものを鍋に全部移しますー。トマトのみじん切りも入れて、塩も入れちゃおう。そしてお湯をカップ1杯強ぐらい足します。 a:こっちのチキンカレーは水も足してないのに、また更に水っぽくなってきてますよ。 U:あれ、ほんとだ。まあそのうち煮詰まるでしょ。そしてこちらにはさっきの揚げた卵をいよいよ投入! これでしばらく煮込むね。ビールでも飲んで待とうよ。 a:飲みます。乾杯ー。
〜煮込んでいるだけなので中略〜
U:だいたいいい感じになった! 途中、なんかチキンのほうがクリームシチュー
みたいな見た目になって不安だったけど、ちょっと火を止めて放っておいたら
カレーになったな。
a:じゃあ完成ですね。やったー。 U:盛りつけて食べてみよう。長い間ありがとうございました!
いただきまーす。
a:いただきますー。 あ、おいしい! このチキンのやつも、ちゃんと
カレーになってる。香辛料ほとんど使ってないのにね。
U:うまく行ってよかった。こっちの玉子カレーは、なぜかちょっと
玉ねぎの甘さが出過ぎちゃった感じもするけど。
a:いや、これも僕すごい好きですよ。おいしいなー。
インドにもこういう揚げた玉子のカレーってあるんですか。
U:カルカッタの辺りでは、3日に1回くらい食べるような定番の
カレーだね。そのヨーグルトのサラダを混ぜて食べるのも
おいしいんだよ。
a:へー、やってみます。……すみません、また口の中が
トイレの芳香剤の匂いで満たされました。
U:あ、牛尾くんがコリアンダー苦手なの忘れてた(笑)。
agraph
牛尾憲輔のソロユニット。
2003年からテクニカルエンジニア、プロダクションアシスタントとして電気グルーヴ、石野卓球をはじめ、様々なアーティストの制作、ライブをサポート。
2008年12月にソロユニット"agraph"としてデビューアルバム『a day, phases』をリリース。
2011年以降はagraphと並行して、ナカコー(iLL/ex.supercar)、フルカワミキ(ex.supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers/toddle)との新バンド、LAMAのメンバーとしても活動。
2014年4月よりスタートしたTVアニメ「ピンポン」では、劇伴を担当。
その他、REMIX、アレンジワークをはじめ、CM音楽も多数手掛けるなど多岐にわたる活動を行っている。
コリアンダーが苦手。
http://www.agraph.jp

  • agraphくんにも参加してもらった
    ↓ユザーンのアルバムのページです↓